トップメッセージ

代表取締役社長 星加 俊之代表取締役社長 星加 俊之
代表取締役社長 社長執行役員
國島 賢治

社会課題を解決し、新たな価値を創造し続ける

愛知時計電機は、1898年の創業時より時計製造で培った精密加工技術をベースに、流体計測技術をコアに据えた製品・サービスを提供し、お客さまとの信頼関係を築き上げてきました。また、これまでに培った計測技術と最新のIoT技術を組み合わせることで、社会課題の解決に資する新たな価値の提供を目指しています。

持続的な成長実現に向けて

持続的な成長実現に向けて
2022年5月に「カーボンニュートラルチャレンジ2050」を策定し、事業および製品・サービスが社会に及ぼす影響を分析し、「温室効果ガス排出の抑制」、「製品のライフサイクルにおける環境負荷の低減」、「サプライチェーン全体の連携」を推進しています。2023年5月にはTCFDの最終提言への支持を表明し、「サステナビリティ基本方針」に則り、気候変動問題への取り組みを進めるとともに、TCFD提言に沿った気候関連の情報開示を拡充しています。
愛知時計電機では、製品の開発・製造における環境への負荷低減を目指し、都市ガスメーターのリユースや水道メーターの小型軽量化などの取り組みを推進しています。
都市ガスメーターは、検定有効期間の10年で交換されますが、取り外されたガスメーターの部品のリユース率は89%に上り、多くの部品が40年以上使い続けられます。水道メーターの開発においても、材料の使用量や構造を大幅に見直し軽量化・小型化を実現することで、運搬や製造工程におけるCO2排出量の低減に貢献しています。今後も、製品のライフサイクルにおけるすべての段階において、愛知時計電機の技術力を活かし、環境負荷の低減を図っていきます。
カーボンニュートラルへの要請がますます高まる中、水素の活用にも注目が集まっています。愛知時計電機では超音波ガスメーターの技術を応用した「水素ガスメーター」の研究を2005年ごろから始め、福岡県北九州市や福島県浪江町などでの実証実験を通じて知見を深めてきました。
今後も関連市場の広がりを見据えた用途開発を進めることで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきたいと思っています。
人材の育成と確保
愛知時計電機の人材活用において、女性活躍の推進も課題の一つだと認識しています。
現在の女性管理職比率は1.2%と低い状態ですが、子育て世代を応援する制度や柔軟な働き方を実現することで、誰もがこの会社でいきいきと仕事を続けていきたいと思える環境を築き、勤務するすべての人が成長し続け、活躍できる会社になることを目指しています。
また、積極的な海外展開やスマート化への取り組み、DXやカーボンニュートラルといった課題を解決するためには、主導的な役割を果たせる人材の育成が重要になります。社内・外の教育を通じてそうした人材を育成すると同時に、キャリア人材の採用も行っていきたいと思います。
コーポレートガバナンスのさらなる向上に向けて
私は入社以来25年ほど人事部門に携わり、その後、営業部門や製造部門も経験しました。各部門で得た知見は私の会社経営のバックボーンになっています。今後の経営人材の育成・選出にあたっては、それまでどのようなリスク判断や課題解決を行ってきたかという経験とともに誠実さが重要だと考えています。指名・報酬等諮問委員会の委員でもある社外取締役の皆さんに対して、取締役はもちろん、この先を担う次世代のリーダーとのコミュニケーションを図る機会を増やすことで、社内とは異なる視点で経営の監督機能を果たしていただきたいと考えています。
愛知時計電機は、引き続き説明責任を果たし、経営の透明性・公正性をさらに高めるため、コーポレートガバナンスの強化に取り組んでいきます。

ステークホルダーの皆さまへ

新型コロナウイルス感染症の蔓延という厳しい社会情勢のもとでスタートした「中期経営計画2023」が最終年度を迎え、当社のミッションである「信頼・創造・奉仕の企業理念のもと、スマート社会に貢献するテクノロジーを磨き、お客さまに新しい価値を創造し、提供し続けることで社会に貢献する」の実現を目指し、目標達成に向けて3つの基本戦略を積極的に推進しています。環境や社会情勢が急激に変化する中で、私たちは、はかる技術、IoT技術を融合させ、社会をより良い方向へ変えていくことに貢献し、ステークホルダーの皆さまとの価値共有を図ってまいります。今後も、より一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。